つれづれ#12 日常を取り戻す 散歩と温泉で実感する回復

つれづれ日記
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冬の散歩の風景

散歩は今も続けている。

毎日ではないが、気が向いたら出かける。

同じコースだと飽きるので、その日の気分で変えるのだが、正直それほど大きな変化はない。

距離はだいたい3㎞から4㎞歩く。

最近は川沿いの土手を歩くことが多い。

冬の川辺は寒々しいが、そこには独特の静けさと美しさと寂しさがある。

日差しを受けて光る瀬の輝きも美しいが冷たさを感じる。

冬の土手では木々が葉を落とし、枝がすっきりと透けて見える。

手入れをしていない自然な形の方が、私が剪定した庭木よりよほど良い感じだ。

足元には細い葉が横一列に茂っている。

これは秋に赤い花を咲かせるヒガンバナの葉だ。

この葉は夏には姿を消し、秋に茎だけ伸びて花を咲かせる。

いつもいきなり燃えるような赤い花が一斉に咲き、驚かされる。

花が枯れて姿を消すと、葉が伸びてくる。

花と葉が同時に存在することはない。

そのため、別名「葉なし花なし」という名もあるらしい。

「曼殊沙華」も同じ花だ。特殊な花で基本自生はしない。

これも誰かが一列に植えたのだろう。

ふと、川面がゆらりと揺れた。

何だろうと立ち止まり、目を凝らすと、黒い影が水中を動いている。

魚だ。

30センチは優に超えていそうな大きな魚がゆったりと泳いでいる。鯉だろうか?

魚に詳しくないが、スマホで写真を撮りながら、さらに周囲を見渡すと、あちこちに似た魚がいる。

今までこの川で魚を見た事はなかった。探したこともなかった。
なので驚いた。

これだけいるなら、釣りでもしてみようかと思い調べてみると、川で魚釣りをするには「遊漁券」が必要らしい。

1日券が1000円から2000円、1年券だと6000円から12000円。

地域によっても値段が異なるようだ。

今どきはスマホで購入できるようだ。

子どもの頃はそんなこと気にせず釣りを楽しんでいたが、

「遊漁券」なかなか高い。と思うのは私だけだろうか。

そういえば最近川で釣りをしている人を見かけない。

これなら釣り堀に行った方が気軽でいいかもしれない。

そもそも釣りが好きなわけではないので、やめることにした。

釣った鯉をどうしたらよいかもわからないし、川魚は泥臭いので食べる気にならない。

北風の中の散歩

帰り道は橋を渡り、川の反対側の土手を歩く。

土手沿いに桜の木が植わっている。

今まで桜の時期に歩いたことはない。

春の散歩が今から楽しみだ。

ただし、冬は北風に向かって歩くことになる。結構つらい。

晴れていても風が強いと体感温度がぐっと下がる。

ジャンパーのポケットに手を入れ、前かがみで黙々と歩く。
散歩といった風情ではない。

「行きはよいよい帰りはつらい」コースなのだ。

娘が中学生の頃、「毎日、北風さんと正面衝突しながら帰ってくるんだから!」と嘆いていたのを思い出す。

苦労させられている「北風」に「さん」を付ける感覚や「正面衝突」という言葉の選び方は嫌いではない。

当時は「面白いことを言うな」と思ったが、今になってその辛さを実感している。

日常の回復

散歩中、このところ尿漏れがないことを実感できている。

尿取りパッドも使わずに歩いているが、万が一に備えつつ緊張感を持って歩いている。

そのためか、最近はずっと尿漏れ「ゼロ」が続いている。

日常生活の多くは元通りになってきたが、まだ戻っていない習慣が2つある。

ひとつは街中の温泉施設へ行くこと。
もうひとつはプールで泳ぐこと。

生命保険のおばちゃんは「お風呂もプールも、漏れてもばれませんよ」と笑って言っていたが、
ばれなければいいという話ではない。

家では普通に風呂に入っているが、風呂の中では体を動かさないので漏れることはない。

そろそろ大丈夫なのではと思い、久しぶりに街中の温泉施設へ行くことにした。

温泉での喜び

朝、早めに家を出た。

朝風呂に入るためだ。朝風呂は贅沢な気分に浸れる。

そのため復帰するときは朝風呂と決めていた。

久しぶりの温泉に向かう道中、少し不安もあった。

尿漏れの心配ではなく、私の腹にはダビンチ手術の痕が残っている。
見る人がみたら分かる。

気にしなければよいのだが、周りの目はやはり気になる。

しかしそんな不安も、のれんをくぐると、なじみの温泉の雰囲気に包まれ、自然と気持ちがほぐれていく。

湯船に浸かった瞬間、体がじんわり温まり、足を伸ばし、心までほぐれていくのを感じた。
この感覚、久しぶりだ。
思わず「はぁ」と声が漏れた。

天井が高く、湯気がふんわり漂う空間の中で、広々とした湯船にゆったり浸かれる温泉はやはりいい。

自宅の風呂では味わえない解放された気分になれる。

手術後は、温泉どころではなかった。

あの湯舟にゆったり浸かる感覚を恋しく思いながら、

体調管理と尿漏れとの戦いを続けてきた。

半年が過ぎ、やっとここまで来たかと思うとやはり嬉しい。

温泉に行くという当たり前の事ができることが単純に嬉しい。


結果、何の問題もなかった。

風呂上がりに脱衣所で見かけた老人が、股間を拭いた後に堂々と紙パンツをはいていた。

少し驚いたが、年齢を重ねると怖いものがなくなるのかもしれない。

私はまだこの境地にはなれない。

今回いった温泉施設は私のお気に入りの一つだ。

群馬の街中の風呂屋は基本天然温泉だ。

山の方の温泉は火山性の温泉だが、平野部の温泉は、化石水といって太古の昔に地下の閉じ込められた海水が温泉となっているものが多いらしい。

群馬にも太古には海があったようだ。

やや黄色味がかった透明な湯で、なめるとしょっぱいらしいが、なめたことはない。

オイル臭がするらしいが、私は鼻が悪いのでよくわからない。

群馬は温泉が多い。

家から1時間の範囲まで広げると同じような温泉施設が沢山ある。

ブログの「群馬情報」の記事がいまだに一つも書けてない。

少しづつ日帰り温泉巡りでもしてみようか。

そしてそれを記事にしてみようか。

と湯舟に浸かりながらぼーっと考えてみた。

次の目標

次の目標はプールだ。プールで泳ぐことだ。

プールで歩く事は問題ないだろう。

泳ぐのはどうだろうか?

日常生活の中で泳ぐのと同じ動作は無いような気がする。
特に下半身の動き。

クロールは大丈夫だろうか?

平泳ぎはどうだろうか?

股を開き気味で足に力を入れるのはまずそうな気もする。

確認方法がわからない。
判断基準がわからない。

あせる事はない。

あせって、しくじって、出入り禁止になるのは困る。

これからも無理せず、少しずつ自分のペースで日常を取り戻していけばよい。

年初の1月。
日常をひとつ取り戻すことができたのだから。

あせる事はない。時間はある。

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