嬉しい臨時収入
我が家の家計に余裕はないが、昨年の秋からずいぶんと いろいろなものを購入した。
プレステ、ハンコン、パソコン、ファイヤーTV、双眼鏡、コタツ、体組成計。
可動棚の設置にも それなりに費用がかかったし、その他にも細々としたものを買った。
家計が厳しいのに、なぜこんなに買えたのかというと、実は予定外の収入があったからだ。
昨年、前立腺癌の手術を受けたことで、生命保険が支払われたのだ。
私はガン特約付きの保険に加入していたため、保険適用の治療費の3割が支給される仕組みになっていた。
通常なら、病院で支払った自己負担分が保険会社から補填されるだけだが、日本の健康保険には『高額療養費制度』というものがある。
これは、治療費が高額になっても、一定の上限額を超えた分は免除される制度だ。
私の年収では、その上限額は57,600円だった。
調べてみると、保険会社から支払われる額は 高額療養費制度に関係なく、治療費の3割と決まっていた。
前立腺癌の全摘出手術にかかった治療費は、諸々合わせて約150万円。
その3割である 約45万円 + 入院給付金 = 約47万円 が保険から支給されることになった。
しかし、実際に病院に支払ったのは、高額療養費制度 [限度額適用認定証] のおかげで 治療費57,600円 + その他(自己負担分)= 約 7万円 ばかし。
つまり、差額の約40万円が、思いがけない臨時収入となったのだ。
びっくりするやら、嬉しいやら。

この40万円、どうしようか?
当然、「いつ使うか? 今でしょ!」の基本方針に則り、使うことにした。
とはいえ、一気に使うのはもったいないので、半分だけ使うつもりだったのだが………
コタツが壊れるという予想外の事態が発生し、結局25万円ほど使ってしまった。
やっぱり、お金があると 気持ちに余裕が生まれるものだ。
入っててよかった、生命保険(医療特約)。
あってよかった、高額療養費制度。
しかし、手術を受けたら収入が増えるというのも、なんとも不思議な話だ。
これでは、「時々入院して手術しようか」などと妙な考えが浮かんでしまいそうだ。
前立腺癌の経過は今のところ順調だが、しばらくは今の保険を継続しようと思う。
この先も順調なら、70歳くらいになったら保険の内容の見直しを検討するつもりだ。
高齢者にとって、どんな生命保険がよいのだろうか?
生命保険って必要なの?
YouTube動画などを見ていると、「生命保険は損だ」「無駄だ」「保険会社が儲けているだけだ」といった否定的な意見をよく耳にする。
確かにそうかも知れない と思いつつも、何となく不安も感じる。
そこで、自分なりに調べてみた。
生命保険(死亡保険)
死亡保険(生命保険)に入るかどうかの基準は、
「自分が亡くなった後に、経済的に困る人がいるかどうか」 が最も重要なポイントだ。
死亡保険は自分のためではなく、家族や周囲の人たちに経済的負担をかけないため のもの。
では、入る・入らないの判断基準は何だろうか?
死亡保険が必要な人(入った方がいい人)
1. 自分が亡くなったときに、経済的に困る人がいる場合。
子供や配偶者の生活が困窮してしまう場合、最低限の生活費分は用意しておくべきだ。
借金があるなら、その返済額分も必要になる。
ただし、住宅ローンは 団体信用生命保険 に加入していることが多いので問題ない。
まずは加入している事を確認しておきたい。
2. 葬儀費用を準備したい場合
「豪華な葬儀をしてほしい」という希望があるなら、その分の費用を確保する必要がある。
3. 相続対策として活用したい場合
生命保険には 「非課税枠(500万円×法定相続人)」 があるため、相続税対策として利用できる。
また、 受取人を指定できる のもメリット。
死亡保険が不要な人(入らなくてもいい人)
1. 自分が亡くなっても、経済的に困る人がいない場合。
2. 葬儀費用がすでに準備できている場合。
3. 保険料を払うことで、生活費が不足してしまう場合。
こんなところだろうか。
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こうやって考えると、高齢者が高額な保険料を払ってまで死亡保険に入るメリットは少ないように思える。
貯蓄がたくさんある人は、相続対策を除けば、死亡保険に入る必要はなさそうだ。
私の場合、子供はすでに独立しており、
妻も [国民年金] [個人年金] [遺族年金] でなんとかなるだろう。
相続対策が必要なほどの資産もないので、葬儀代として少し準備しておけば 十分かもしれない。

60歳になったとき、なんとなく死亡保険を減らし、 医療保険を手厚くしておいた。
虫の知らせだろうか、その選択が結果的に役に立ち、今回の予定外の収入につながった。
生命保険(医療保険)
医療保険は、 病気になったときに一時金や治療費が出る、健康保険を補完する保険だ。
「日本には 高額療養費制度 があるから、医療保険は不要」という意見もある。
しかし、貯蓄も収入も多くはない私にとっては、不安が残る。
大きな病気や手術の費用がかかる可能性がある
高額療養費制度があっても、 自己負担がゼロになるわけではない。
入院・手術の費用だけでなく、 通院費、差額ベッド代、食事代などの自己負担 もある。
長期間の入院・治療が必要になることもある
がん・脳卒中・心筋梗塞などの大病は、 治療が長引く可能性が高い。
貯蓄が十分にない場合、治療費の負担が生活に影響を与えることもある。
入院が長期になればなるほど、周囲の人の負担も大きくなる。
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高齢者が医療保険に入るべきかどうかは、人それぞれの状況による。
高額療養費制度だけでは補えない費用もあるため、一概に『医療保険は不要』とは言えない。
ただし、高齢になるほど保険料が高くなるため、「無理に入る必要はない」が、死亡保険よりもメリットがあるように思える。
入院給付金がでる医療保険
入院1日につき 3,000円〜10,000円 などの給付金が出るタイプの医療保険がある。
高額療養費制度は 「保険適用内の治療費」に上限がある制度 だが、 保険適用外の費用は自己負担 となる。
例えば、以下のような費用は 高額療養費制度の対象外 なので注意が必要だ。
食事代
入院用品レンタル代(パジャマや下着、オムツなど)
差額ベッド代(個室料)
自由診療(保険適用外の治療)
病院によって入院費用は異なるが、
私が入院した病院では、 1日 3,000円 あれば、食事代や入院用品レンタルが賄える。
1日 10,000円 の給付金があれば、個室(差額ベッド)にも入れて、さらに数千円が余る。
これを治療費に回すこともできる。
長期の入院でも、費用負担は軽減できる。
自由診療は費用が高額になりがちなので、入院給付金では賄えない場合が多い。
自由診療は、必ずしも効果が高い治療とは限らない。
効果が立証された治療が、保険適用になる傾向がある。
私が受けた 『ダビンチロボットによる手術』は、
最初に 前立腺癌手術のみ 保険適用となり、その後ほかの手術にも適用範囲が広がった。
高齢者が自由診療を受けるのは、貯蓄や収入が多くないと無理かもしれない。
個人的には、入院給付金のある医療保険は、入っていても損はないと思う。
私は 1日 3,000円の給付金 が出る保険に加入していたが、実際に役に立った。
もし高齢の親の保険を考えるなら、
死亡保険を減らして、入院給付金を多めにするのも一つの選択肢だろう。

個室に入れるようにしておくのは、親孝行の一つかもしれない。
ネット保険ってどうなの?
最近は ネット保険 も増えているが、高齢者にとってはどうなのだろうか?
ネット保険のメリット(高齢者にとっての利点)
1. 保険料が安い
ネット保険は 営業員や店舗のコストがかからない ため、 保険料が割安 になっている。
2. 簡単に比較・申し込みができる
インターネット上で 複数の保険を比較しやすい。
書類のやりとりが少なく、オンラインで手続きが 完結するものも 多い。
3. 健康状態に関する告知が簡単なものが多い
高齢者でも入りやすい 「持病があってもOK」の保険 もある。
従来の対面型保険より、 加入しやすいケースが増えている。
ネット保険のデメリット(高齢者には不便な点)
1. 自分で全て調べて判断しないといけない
対面で相談できないため、 「どの保険が自分に合うのか」 が分かりにくい。
契約内容の詳細や注意点を 自分で理解する必要がある。
2. 申し込みがインターネットのみ(手続きが難しいことも)
パソコンやスマホの操作に慣れていないと、 申し込みが難しい。
「紙の契約書がほしい」「対面で相談したい」人には 不向き。
3. 保険金の請求手続きがオンライン中心
ネット保険の多くは、 保険金の請求もオンラインで行う 必要がある。
書類の郵送や 対面サポートが少ないため、 手続きに困る可能性 もある。
ただし、最近では
一部のネット保険会社では電話や郵送での対応も可能 になっている。
事前に確認するとよいだろう。

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ネット保険と窓口型保険、それぞれにメリット・デメリットがある。
ネット保険は「保険料が安く、手軽に申し込める」のが大きなメリットだが、
「自分で調べて判断する力」と「ネット操作に慣れていること」が求められる。
私は 今のところはネットで手続きすることもできる と思っている。
ただ、年を重ねるうちに判断力も低下し、面倒なことが できなくなるかもしれない。
内容を忘れてしまう かも知れない。

それならば、以前
「尿漏れ、バレませんよ!」 と勇気づけ(?)てくれた 保険のおばちゃん に、
引き続きお世話になろうと思う。

現役世代の皆さんへのアドバイス
収入が一定で、支出も一定なら、平穏に暮らせます。
しかし、一時的にでも支出が大きく増え、それに対応できるだけの貯蓄がなければ、生活が破綻することもあります。
支出が増大する出来事(病気・事故・災害など) に備えるのが保険です。
「もしもの時」に対応できるだけの貯蓄があるなら、保険に入る必要は ないかもしれません。
「保険はいらない」「無駄だ」「損する」という人たちは、すでに十分な貯蓄があり、リスクに対する考え方が違うのかもしれません。
しかし、現役世代の皆さんにも「まさか」は起こります。
むしろ、高齢者よりも残りの人生が長い分、病気やケガ、リストラ、親の介護など、想定外の出費が発生する可能性は高い と言えます。
私自身も、予想もしなかった出来事に 何度も直面してきました。
収入・生活費・貯蓄・保険のバランスをよく考え、「まさか」に備えてください。
世の中にはさまざまな保険があります。
自分の生活に合った保険を選ぶことが大切です。

人の意見を参考にするのは良いことですが、最終的には 自分で調べ、自分で判断し、自分で決断することが重要 です。
自分よりも貯蓄が多く、収入が多い人の意見が、自分にとって最適とは限りません。
他人の意見をそのまま鵜呑みにするのではなく、自分で考え、納得した上で決断することが 大切です。
誰かの意見に従い、失敗して誰かのせいにする人生は 送らないでください。
老婆心ながらのアドバイスですが、少しでも参考になれば幸いです。