利根川を歩く
10日ほど前、風もなく 暖かな日だったので、利根川の土手へ 足を向けた。
新たな散策コースの候補として、歩きやすさや 景色を確かめたかったからだ。
今回訪れたのは、伊勢崎市の南にある「利根川水辺プラザ公園」周辺。
ここには 河津桜が植えられているが、まだ若木のため、見ごたえ というほどではない。

この場所は、実家から自転車で行ける距離にあり、子供の頃は よく遊びに来た。
当時は公園などなく、ただ広い河川敷が 広がっていた。
土手の上は サイクリングロードになっている。
まっすぐ伸びる道は 気持ちがいいが、目標がないと どこまで歩いたらよいか 迷ってしまう。
帰り道のことも考え、30分ほどを目安に歩いた。

ここは散策というよりも、ウォーキング や ジョギング に適した道のようだ。
実際、ロードバイクを楽しむ人や ジョギングをする人の姿が 目立つ。
ロードバイク は私には似合わないが、走れば気持ちよさそうだ。
河川敷へ
単調な土手の道を離れ、川辺へ 行ってみる。
風もないせいか、水面は穏やかに 広がっている。

この辺りの利根川は、群馬県と 埼玉県の 県境を東へ向かって 流れている。
標高は 約35m。
ここから銚子の河口まで 約180kmの距離を 流れていく。

日本の河川は 山を下ると すぐに海へと注ぐ ことが多い。
それに比べると、利根川のように 広い平野を横断する川は 珍しい。
土手土手の幅は 1㎞近くある。
流れの幅は 数百mくらい。
なので河川敷が広い。
河川敷は枯れ草が生い茂り、その間を縫うように ラリーのコースのような道が続いている。

草が燃えた跡が 広がる。

散歩していた人が「ここ、火事で燃えたんですよ」と 教えてくれた。
幸い、人家があるわけではないので、大きな被害は なかったようだ。
ここだけでなく、上流や下流でも 燃えたところがあるみたいだ。
今年の冬は 雨が少なく、例年以上に 乾燥してるようだ。
ニュースを見てると、あちこちで 山火事も発生している。
燃えてしまった草っ原から見た赤城山。

雪のついた赤城山は、この冬 これが見納めだろう。
そういえば、昔は 3月になると 野焼きをしていた。
春が来る前の 準備のようなものだったが、ダイオキシンの問題が 騒がれるようになってから、いつの間にか 見かけなくなった。
かつての河川敷は、牧草地が広がり、長い鎖につながれた牛たちが のんびりと草を食べていた。
流れから取り残された池や 砂場があり、子供にとっては 格好の遊び場だった。
釣りをする人、泳ぐ人、
モトクロスのバイクを 走らせる人、
土手を上り下りする 野球部のお兄さん、
ピクニックを楽しむ お姉さんたち
それぞれが 思い思いに 利根川を楽しんでいた。
だが今は、草が生い茂り、道以外の場所には 入り込めない。
池もなくなっている。
河原や砂場は どうなったのだろうか。
道には 拳大の石が ゴロゴロしており、スニーカー型の作業靴では 足裏が痛む。
もう少し厚底の靴が 欲しくなった。
散策というより、探索といったほうが しっくりくる場所かもしれない。
ラジコンとの出会い
歩いていると、突然、甲高い音が響いた。
振り向くと、戦闘機が飛んでいた。
もちろん、本物ではない。ラジコンの戦闘機だ。
興味を引かれ、そちらに向かうと、操縦していたのは 私と同世代の男性だった。
戦闘機が着陸すると、次は 別の飛行機を飛ばし始めた。
話を聞くと、その飛行機は 彼の自作だという。
設計し、100円ショップで材料を集め、独自に作り上げた とのこと。
ドローンも持っているが、「ホバリングするだけで 飛ばしている楽しさがない」との理由で、ラジコン飛行機のほうが 断然楽しいらしい。
「自分で設計して作った」
この言葉に、少なからず 衝撃を受けた。
製造業に携わっていた頃の 魂がうずきだす。
飛行機の設計?
無線でプロペラを回し、方向舵をコントロール?
一体 どうやるのだろうか?
私の頭の中には、それらに関する知識が まったくない。
だが、面白そうだ。
トライしてみようか。
しかし 何から手を付けたらよいのか……。
ふと 空を見上げると、トンビが旋回しながら 高く高く上がっていく。

空か……。
紙飛行機あたりから 始めてみようか。