今回は、映画『 ゴジラ-1.0 』を見て、感想文を書いてみました。
何にしろ感想文を書くのは、学生の時以来です。書けるでしょうか。
絵も描いてみました。学生の時以来です。
ゴジラ-1.0 感想文
Amazon.Primeビデオで『 ゴジラ-1.0 』を見ました。
初めてではなく1月の末に映画館で観ています。
昨年(2023年)の11月に封切りされてたので、しばらく経ってからの観賞です。
当初は興味なかったのだが、
アカデミー賞にノミネートされたというニュースを聞き、
失礼ながら《 ゴジラ 》ってそういう映画なのかと思い、調べて見ると、
主演が神木龍之介。そして浜辺美波。
あれ、朝ドラのコンビじゃないか。
さらに吉岡秀隆の名もある。
私の世代だと、北の国からの子役の”純”だ。
妹の”蛍”にくらべ、割とへたれな兄だったように記憶している。
この配役でどうやって”ゴジラ”と戦うんだろう
という疑問と興味が湧き、見てみようと思った。
大型ショッピングセンター内にある映画館に出向き、
劇場に入って見渡すと観客は少なく、私と同世代は誰もいない。
客席に座り、大きなスクリーンに、次から次と映し出される上映予定作をなんとなく眺め、
早く始まらないかな。
つまらなかったらどうしようか。
などと思いながら、開始を待った。
あまり映画に対する期待度は高まらず、
なるべく早くゴジラが出てきて大暴れしてくれればいいのだがな、と思っていた。
そして会場が真っ暗になり
静寂の中『 ゴジラ-1.0 』が始まった。
不安、恐怖、破壊、絶望、闘い、死、 ・・・・・・そして終わった。
見終わった後の感想は、
「あれっ? 面白かった!」だ。
帰り路、車を運転しながら、
なぜ面白かったのだろうか、
という不思議な疑問が湧いてきた。
この疑問が続き、結局、次の日も見に行った。
今度は『 ゴジラ-1.0/color 』
白黒バージョンを見た。
やはり、面白かった。
むしろ2回目の方が感動した。
2回目なのでストーリーは分かっている。
そのためか1つ1つのシーンが伏線となり、それが徐々に集約され、
最後にゴジラを倒す。
という見事なストーリが展開されているのが分かった。
よく練られた脚本だと思う。
面白い訳だ。
ストーリーは、終戦ほどなく日本の首都東京にゴジラがやってきて大暴れする。
そして人々は、様々な思いを胸に皆で協力してゴジラを倒す。
大雑把すぎるが、こんな感じだ。
敗戦という形で終戦を向かえた日本は全てを失った。
多くの人が命を落とし、
残された人も大切な人を無くし、
家を無くし、夢も希望も無くしてしまう。
何故こんな事になってしまったのか。
これから先どうやって生きていけばいいのか。
終戦を向かえても、人々の心は上向かず、深く深く落ち込む。
マイナス方向へどんどんと沈み込んで行く。
こんな時に、ゴジラがやってくる。
私は、もちろん戦争の経験などない。
敗戦がどんなものかも知らない。
恐らく、敗戦時の人々は、
戦争に対する恨み。先々に対する不安。
これらを誰かのせいにしなければ気が済まない。
自暴自棄になり、けんかが起こり、
略奪、暴動、レイプ、そして殺人、自殺。
何が起こっても不思議ではなかっただろう。
実際、様々なマイナスな事が起こっただろう。
このような状態になれば、社会の秩序は崩壊し、
ゴジラなんぞが出てこなくても、国は崩壊する。
ゴジラは敗戦時の”崩壊しかけた人の心”の象徴なのかもしれない。
だから、ゴジラを倒さなければ、
人は未来を見据えて生きて行けない。
絶望の象徴ゴジラ。
生きることに絶望してたら未来は来ない。
「生きて抗え」その通りだ。
人は生きようとする心。
生き続けようとする心。
そんな心を持っている事を改めて気付かせてくれる。
人は自由な心を持って生まれてくる。
赤ん坊は、泣きたい時に泣き、
眠りたい時に寝、
ウンチをしたい時にして、
笑いたい時に笑う。
生きようとしているのだ。
成長する過程で
「あれしちゃダメ」
「これしちゃダメ」
「ああしなさい」
「こうしなさい」と言われ続け、
徐々に社会性を身に着けて行く。
その過程で心は徐々に縛られていく。
大抵ダメと言われる事の方が魅力的な事が多い。
縛られた心は、時としてその縛りからはみ出そうとする。
子供にとってその”はみ出そうとする心”を制御するのは難しい。
どうして良いか分からなくなる。
訳のわからない”はみ出そうとする心”のエネルギーが高くなると、
不安になり、心も乱れ、恐怖すら感じる。
そしてそれが、訳の分からない怪獣となり出現するのだ。
私が子供の頃は、その怪獣を毎週日曜日に”ウルトラマン”が退治してくれた。
そして、心の平穏を保つ事ができたのだ。
ヒーロー物は無くならない。
大人達は「くだらない」と言う。
そんな大人も月曜日の夜”水戸黄門”を見て
「やっぱり真面目に生きるのが一番だな」と、心の平衡を保つのだ。
”ウルトラマン”好きと、”水戸黄門”好きに悪い人はいないと思う。
たぶん。
この”はみ出そうとする心”はどこにでも存在する。
気を緩めれば何時でも出てくる。
ちょっとサボろうとか、ズルしようとか、
その言い訳にウソをついたり、ダマシたり、
そして互いにののしりあい、憎んだり、恨んだり、
人を傷つけてしまう事もある。
そしてこれらが平気になる。
犯罪は無くならない。紛争も無くならない。
心が崩壊してゴジラが暴れまくる。
残念ながら、人類は、未だ、
このゴジラをコントロールする術を身に着けていないように思える。
映画のエンドロールの最後に、遠くからゴジラの足音が聞こえてくる。
ドーン、ドォーン、ドォォーン
だんだん近づいてきて、
最後に「ギャオーー~ン」とゴジラの咆哮が館内に響き渡る。
私には「暴れていいんだな。全部ぶっ壊してやる」と叫んでいる様に聞こえる。
歳をとると、心の縛りが緩んでくるように思える。
”はみ出そうとする心”のエネルギーも弱くなるように思える。
ゴジラをコントロールする術は老人の方が身に着けているのかも知れない。
いつかゴジラが出てきたら
「やれるもんだら、やってみろ。ただじゃおかねーぞ」
と言ってやろうと思っている。
パワー不足は否めないが、そんな心積りを持って、生きて行こうと思う。
感想文を書いてみた感想
今回、感想文を書いてみましたが、
案外楽しかった。
感想文は個人的なもので、主観の塊だ。
正解はない。百者百通りだ。
作者の意図も関係ない。
それでいいと思います。
だから楽しいのだと思う。
今年みた映画は、ゴジラ以外では、
今のところ、
「スパイファミリー」と
「ハイキュー」です。
いずれもアニメ。
こちらも何時か気が向いたら、
感想文を書いてみたいと思います。
映画は単純なのが好きです。
ややこしいのは途中で集中力が切れ、
まだ終わらないのか、みたいな感じになってしまいます。
なので、見る前に面白いか、
無くないかが重要なのだが、
こればかしは見ないと分かりません。
ネットでも映画をみれるが、
便利で悪くはないが、
大スクリーンで観た方が良いのは決まってる。
最近は、シニア割引なるものがあり、
高齢者はちょと安く観られる。
ありがたい。
自治体が発行している割引カードのようなものもあり、
それを提示すれば割引や特別サービスを受けられるようなお店や施設もある。
これは、高齢者が家に引き籠り、
動かなくなるのを防ぐという意図があるらしい。
大いに利用したい。
『 ゴジラ-1.0 』は世界中で話題になったようですが、
日本アカデミー賞で、役者さんで最優秀賞を受賞したのは、助演女優賞の”安藤さくら”さんだけでした。
残念ですが、しかたがありません。
主役は圧倒的に『 ゴジラ 』なのですから。
御覧になっていない方は、1度観る事をお勧めします。
そして感想文を書いてみる事もお勧めします。