前回、納戸でギターを探しているとき、たまたま目に入ったキーボードを修理し、なんとか使えるようにした。
けれど、そもそも私はキーボードの演奏ができない。
やっぱり 本命はギターだ。改めて探すことにした。
妻に聞いてみた
妻に「ギター知らないか?」と聞いてみた。
「知らない」と素っ気ない返事。
「たぶん 納戸にあると思うんだけど」と言っても、
やっぱり「知らない」と繰り返す。
納戸の中に ぎっしり物を詰め込んだのは、間違いなく妻だ。
そこで、「探したいんだけど、中に入れないんだよね」と、さりげなくプレッシャーをかけてみた。
ギター、出現
次の日。
プールから帰ると、ギターが置かれていた。

聞けば、一番奥の、右側の 壊れた電気ストーブが入った ダンボールの向こう側にあったという。
だから 見えなかったのだとも 説明してくれた。
「一番奥までどうやって入ったのか?」
「そもそも 壊れた電気ストーブを なぜ保管してあるのか?」
という 2つの疑問が浮かんだが、そこには触れず
「ごくろうさん ありがとう」とだけ、妻の労をねぎらった。
50年以上前のギター
このギターは、高校の音楽の授業で使うために 買わされたものだ。
つまり、もう50年以上前の代物だ。
ケースから出してみた。

間違いなくギターだ。久しぶりに見た。
使えるのだろうか。
弾いてみると、「ボヨヨーン」という頼りない音がする。
弦も ところどころ錆びていた。
弦交換と調律の苦闘
まずは弦を外し、ギターを軽く掃除した。
新しい弦を買い、YouTube を見ながら 張り替え作業を始めた。

動画によって説明が微妙に違い、少々混乱したが、なんとか下部は 取り付け完了。

ヘッド側も、説明がそれぞれ異なるが、
まあ「固定できればよい」らしい。
弦の余った部分は 調律後に切ることにして、いったん そのままにしておいた。
チューニングがわからない
さて、問題は調律だ。
昔は金属の笛のような「調律笛」で合わせていたが、見つからない。
捨てて しまったかもしれない。
YouTubeで調べると、
今は デジタルの調律器を使うのが 主流のようだ。
仕方なくAmazonで注文。1800円なり。

使ってみたが、いまいち分かりづらい。
私としては、弦ごとに基準となる「音」が鳴る方が 合わせやすい。
それで、キーボードを利用しようと思い立ち、準備して キーボード基準で チューニングを始めた。
「直しておいて良かった」と少し 満足感を感じた。
しかし、何か おかしい。
デジタル調律器が 正常な値を表示しない。
どうやら キーボードの音程が くるっているようだ。
そういえば昔、キーボードを妻に弾かせたら、
「鍵盤の音が全部 半音ずれてるよ!」と言って 笑い出したことがある。
妻は 絶対音感を持っているのだ。
デジタル調律器の表示も、確かにその位ずれている感じだ。
恐るべし「妻」。でも 私以上に 耳は遠い。
それでも何とか チューニングはできた。
やはり、弾けない
いざ弾こうとしたが、ドレミの押さえ方も忘れている。
そもそも 昔から上手く弾けたわけではない。
弦を押さえる指先はすぐに痛くなるし、
隣の弦に 指が触れてしまって 音がビリビリ鳴る。
完全に初心者に戻ってしまっていた。
今から練習して、弾けるようになるだろうか。
高齢者の伸びしろは、あまり期待できない。
ギターもだめか。
キーボードの音程調整
音程が狂っている キーボードもどうしたものかと思案する。
じゃまだから、また納戸のラックの上へ 置いておこうかと思ったが、
それでは、壊れた電気ストーブを保管している妻と同じになるので、捨ててしまおうかとも思った。
しかし、せっかく音が出るようになったのに。
自分は絶対音感ないから、これはこれで使える。
涼しくなったら、やる気がでてくるかもしれないし。
と暑さで 茹だった脳みそで考えてみても 結論がでない。
ふと、キーボードの音程を直せないだろうか、
治ればギターの調律にも使えるし、と思い
トライしてみる事にした。
ケースを開けてトライ
音程の微調整をする スライドレバーはあるが、調整範囲以上に狂っている。
ここら辺の抵抗値を変えれば、音程がかわるのかもしれない。
キーボード本体を裏返し、思い切ってケースを外してみた。
基盤がでてきた。

それっぽい半導体がたくさんならんでいる。
40年前の電子回路だ。
今時なら もっとずっと少ない部品で構成されるのだろう。
回路構成や、意味は まったくわからない。
基盤を眺めると、可変抵抗器(ボリューム)らしきものが いくつかならんでいる。
これのどれかを調整したら 音が変わったりしないだろうかと思い、いじってみた。

右上の抵抗器(丸印内)を調整したら音がかわった。
スピーカーの近くにデジタル調律器をセットし調整。
期待していなかったが、思いのほかうまくいった。
やってみるもんだ。
暑さの中で 七転八倒してたことに対し、神様が微笑んでくれたのかもしれない。
※正式のやり方ではないと思うので、注意してください。
これで ギターも キーボードの調律も 終わった。
再び、思案する
キーボードと ギターを 復活させてみたが、
「さて、どうしたものか」と考え込む。
キーボードは 40年以上前のもの。
ギターは 50年以上前のもの。
我ながら物持ちがいい。
その点には、ちょっと感心してしまう。
今から練習するには、それなりに努力とか根性が必要そうだ。
でも、正直言って、そこまでやりたいかといえば……微妙だ。
気がつけば、やる気は徐々に冷めてきている。
それでも、「少し頑張ってみようか」と思う自分もいる。
が、やはりまた「三日坊主」の言葉が頭をよぎる。
猛暑の中、あれこれ思案しても、良い考えも浮かばない。
涼しくなったら「なにか良いアイデア」とか「やる気」とかが 出てくることを期待することにした。
少しだけ前へ
納戸の中で じっと日の目を見る時をまっていたであろう、キーボードと ギター。
また納戸へしまうのは 気が引けるので、部屋の中に 置き場所を決めることにした。
キーボードは、可変棚に新たにスペースを作って置くことにした。

ギターは不安定なので、置き場所は また別に考えよう。
とりあえず、机のわきに立てかけておくことにした。
目に見える場所に置いておけば、使う気になるだろう。
これでも、半歩くらいは 何か前進したような気がする。
今のままでは、汗をかいただけで、実り少ない夏になってしまいそうだ。
それも これも、猛暑のせいにしておこう。
キーボードを改修した記事です。
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