散歩道
今年の秋は、晴れが少ない。
久しぶりに 散歩に出てみると、土手の草が 刈り取られていた。
夏のあいだは 草が生い茂り、とても歩けたものではなかった。

草刈りは、小型の パワーショベル で 行われていた。

「刈る」というより「むしり取っている」といった感じである。
土手沿いの桜の木は、すでに葉を落としていた。
一見すると、まるで 枯れ木のようだ。

植物は 気温が高くなりすぎると、
水分の蒸散を防ぐために 気孔を閉じてしまう。
そうなると 光合成ができず、葉を落として 自らを守るのだという。
猛暑を生き延びるための 知恵なのだろう。
それでも、あちこちで葉を落とした桜を見ると、
来年も ちゃんと咲くのだろうかと、心配になる。
土手の木々の中には、クズに覆われているものがあった。

クズに覆われた木は、光合成ができなくなり、枯れてしまうことがある。
世界の「侵略的外来種」に指定され、アメリカでは“グリーンモンスター”と呼ばれているらしい。
そう言われると「モンスター」に見えてくる。
もっとも、日本では古くから自生しており、
根は「葛粉」として葛湯や葛餅、葛根湯などに使われてきた。
昔からの馴染みのある植物だ。
庭の手入れ
久しぶりの晴れ間を利用して、庭の芝を刈り、雑草も抜いた。
やつでの葉が 干からび、夏の強い日差しに 焦がされたようになっている。

猛暑の残骸といった感じだ。
ばっさり切ったら、情けない姿になってしまった。

春には、こんな青々しい姿だったのだがーーー

毎年、少なからず葉が焦げてしまう。
日の当たらない場所に 移植したほうがよさそうだ。
コスモス畑
曇りや雨の日が続いたあと、ようやく晴れた。
以前パートで働いていた近くに コスモス畑があったのを思い出し、早めにでかけた。

コスモスは好きな花だ。
キク科の一年草なので、毎年種をまかなければならない。
誰が世話をしているのかは知らないが、おかげでこうして見事な花を楽しむことができる。
感謝!

逆光のコスモス。
花びらが 透けるように 輝いている。

日が高くなると 見えなくなる景色だ。
お母さんに だっこされた男の子が、コスモスを見ずに 空を指さしている。
指さす先を見上げると、立派な送電線鉄塔。

男の子にとって、コスモスより 惹かれる景色なのだろう。
久しぶりに 青空を見上げた気がする。
このコスモス畑には、大きな鳥居がある。
群馬県で一番大きな鳥居なのだという。

近くにある 小泉稲荷神社の鳥居だ。
名前は聞いたことはあったが、行ったことはなかったので、訪れてみた。
小泉稲荷神社
小泉稲荷神社は、五穀豊穣、家内安全、商売繁盛など、さまざまな神様がまつられた 霊験あらたかな神社だ。
古くから地域の人々に親しまれているようだ。

境内には、ご利益を得た人々が寄進した「大願成就」の鳥居がずらりと並ぶ。

隙間なく続く 朱色の鳥居のトンネルは、まるで別世界へ通じる道のようだ。

背の低い鳥居もあるので、頭を下げて中をゆっくり歩く。
その先には、静かに鎮座する拝殿がある。

拝殿の裏手には、参拝者が奉納した白狐が無数に並び、なんとも神秘的な光景だった。

稲荷神社らしく、境内で油揚げを購入することもできる。
平日のせいか、参拝者はまばらだったが、
初詣や 季節の行事の時期には かなり賑わうようだ。
それほど大きな神社ではなく、大鳥居とのギャップを感じるが、
数多く奉納された鳥居を見ていると、地域の人々の 信仰の深さを感じる。
我が家の秋
我が家の秋を 探してみました。





小さい秋というより「少ない秋見つけた」といった感じだろうか。
夏のあいだ 咲かなかった ハイビスカス が、また つぼみをつけている。
「早く咲かないと 冬になってしまう」と、あせっているように見えた。

ちょうど良い季節が 短すぎる。
最後に
猛暑を越えて迎えた秋。
植物も人も、暑さに傷みながらも、季節は進み、ようやく ほっと一息ついているようだ。
去年の秋は「尿漏れとの戦い」で過ぎていったが、
今年は、季節の変化を追いながら過ごす時間に、思いのほか 癒やされている。
この秋を、もう少し長く感じていたいものだ。