健康#9  前立腺癌 ダビンチ手術 体験記 part-1

健康管理
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2024年7月下旬に前立腺癌の摘出手術をうけました。
大分遅れましたが、入院・手術から退院までの経緯を記事にしました。
part-1 入院日~手術日
part-2 手術翌日
part-3 4日目~8日目(退院)
の3つに分けて書きました。

1日目 入院

いよいよ前立腺癌の手術だ。

11:00に入院予定だったため、暑い中、妻の運転で病院へ向かう。

15分前に到着し、受付番号表が1番だったため、直ぐに呼ばれて手続きを行う。
診察カードを渡し、幾つかの確認項目や、高額療養の手続の確認をした後、病棟の指定階数のスタッフステーションへ向かった。

スタッフステーションで受付でもらった書類を提出し、その後、担当の元気な看護師さんから入院に伴うオリエンテーションを受けた。

妻と一緒に説明を聞き、質問もした。

手首にネームバンドも取り付けられる。これは退院まで外せない。

事前に用意するよう指示されていた物品や書類を看護師さんが確認し、持参した持病薬も渡した。

妻はここで帰り、その後、病室へ案内された。4人部屋の窓側のベッドだった。

ベッド脇に冷蔵庫やテレビが一体となったラックがあり、そこに持って行った着替えや私物、飲料水、スポーツドリンクを収容した。

靴を病院用の室内履きに替え、看護師の指示に従い、採血と採尿に行く。

病室へ戻ると、お昼の食事が用意されていて、病院での最初の食事を取った。

高血圧症向けの塩分控えめの味付けだが、おいしかった。

午後は麻酔科の診察があるので、それまで病室で待機。

病院内では無料Wifiが利用できる。

スマホは生検の時に設定済のため、今回は少し古いタブレットを持参したので設定を試みたが、少し苦労した。

なんとか設定ができた。これで入院中ネットで動画が見れる。

看護師がやって来て、お臍の掃除をしてくれた。

「こんなに取れました」と言いながら、臍に詰まっていたゴミを見せてくれた。

今まで臍の掃除などしたことがなかったので、かなりたまっていたのだろう。

4人部屋は、南向きの部屋で、入口から入って、右側にトイレ、左側に洗面台、その奥に左右にベッドが2台づつ並んでいる。正面に窓がある。

各ベッドはカーテンで仕切られていて、通常カーテンは閉じられているので、同室の方々がどんな人たちかはわからない。

全員、泌尿器科の患者さんだったので、前立腺癌や前立腺肥大なのではないかと思う。

皆さん既に手術は終えているようで、隣のベッドの方は、もうすぐ退院のようだ。

患者さんごとに担当の看護師さんが違うようで、入れ代わり立ち代わりやってくる。

声しか聞こえないが、テキパキと仕事をこなしていく。

向かい側の患者さんが突然「うっ、うっ」と呻きだし、ナースコールを押したのだろう。
「どうしました」という声がスピーカーから流れ、

「急にお腹が痛くなってきました」と患者さんが答えると、

「わかりました。痛み止めもっていきます。」という声が聞こえ、ほどなく看護師さんがやってきた。

その後は静かになった。そんなに直ぐに痛み止めが効くとは思えないが、我慢しているのだろう。

ちょっと緊張した気分になり、病院にいることを実感した。

しばらくして、看護師さんがやって来て麻酔科へ行くように言われた。

麻酔科は初めてでは無いので、もらった書類を持って1人で行くことにした。

麻酔科の先生は、生検時の女性の先生ではなく、初めてお会いする男性の先生でした。

今回は全身麻酔のため、それに関する詳細な説明をしていただいた。

診察後部屋に戻り少し休んでから、シャワーの予約時間がきたのでシャワー室へ向かい、
看護師さんにシャワー室の使用方法の説明をしてもらった。

明日は手術なので、念入りに体のあちこちを洗った。
30分で済ませなければならないので、わりと忙しい。

シャワーを出た後は、パジャマに着替えた。

これで完全に入院モードになった気がした。

病室に戻ると薬剤師さんが来て入院中に使用する薬の説明をしてくれた。

その後、看護師さんがきて明日の手術についての説明をしてくれた。

その後、夜担当の看護師さんが来て、体温や血圧を測定した。

入れ替わり立ち代わりやってくるので、名前が覚えられない。

18:00に夕食。食後はテレビを見て過ごした。

相部屋のため音は出せない。イヤホーンを使っての視聴となる。

テレビは有料で、冷蔵庫と共通のカードになっている。

21:00消灯。部屋が暗くなる。いよいよ明日は手術だ。

普段もこの時間にはベッドに入るので、いつも通り眠りについた。

夜中に目が覚め、トイレに行った。これもいつも通りだ。

周りからいびきが聞こえる。気にならなくもないが、私もかいているだろうからお互い様だ。

2日目 手術日

朝5:00頃に目が覚めた。

病院の起床時間は6:00のため、しばらく静かに過ごすことにした。

6:00になり、洗顔と髭剃りを行った。

普段はカミソリを使っているのだが、病院は刃物の持ち込みが禁止されているため、電気髭剃り機を使用した。

これは父が使っていたものを、母に「使う時があるかもしれないから」という事で、遺産分けの1つとして譲り受けたものだ。

1度も使った事がなかったので、事前に掃除をし手入れをしておいたのだが、切れ味はあまり良くない。

剃っては指でさすり、更に剃って、剃り残しが無いと思える位まで剃った。

歯磨きも念入りに行った。

手術中に口の中の細菌が気管に入ると肺炎になる可能性があるらしい。

新型コロナの影響か、髭剃り歯磨きは個人のスペースで行い。洗面所では口をゆすぐだけとなる。

普段は朝起きると、タバコを一服するのだが、病院は当然禁煙のため吸うことはできない。

いつもはタバコを吸えば、しばらくして便意を催すのだが、吸わないせいか一向に催さない。

手術前には出さなければと思っていたが、まるで催さない。

手術当日は食事はとれず、水分も10:00までと制限されている。

8:00頃、昼担当の看護師が挨拶にきた。2人来た。1人は、かなり若い看護師で、もう一人は、教育指導係的な雰囲気の看護師だ。

若い看護師さんが、体温、血圧、血中酸素濃度を測定した。

昨日の測定値と大きな変化はなく、血圧は低めだ。

持参した高血圧用の持病薬は2種類あるのだが、1種類だけ渡され、それを飲んだ。
主治医の指示だと言っていた。

「手術室へ行く前、10:00頃に点滴を始めます」「それまでに手術着に着替えておいてください」と言って出て行った。

10:00までに、大便は出しておいたほうがよさそうだなと思った。

まだ時間があるため、水やスポーツ飲料を飲みつつ、スマホでラジコを聞き始めた。

10:00近くなっても便意を催さないため、ベッド脇に立ち上がり、下腹をよじったり押したりしながら体を動かした。

ようやく便意を催してきたため、トイレに入り、便器に座り下腹に力を入れた。

私は本来、便秘症では無く、いつもはスルッと出るのだが、中々出ない。

それでもようやっと出した。結構出た。昨日食べた分は全部出たかなと思える位出た。

手術着に着替え、これで心置きなく手術が受けられると安心した。

看護師さんが二人でやって来て、点滴始めますといって、若い看護師さんが、わたしの腕をさすりながら、針を挿す場所を探しはじめた。

私の腕は血管が表面に出ず、採血の時も看護師さんにいつも手間を取らせるのだが、若い看護師さんにはやはり難度が高かったようで、最初に刺した所はうまくなかったようで、「すみません。一度抜きます」と行って針を抜いた。

再度血管を探し始めたが、適当な場所が見つけられず、先輩看護師にその旨を伝えた。

その後、看護師さん二人で血管を探したがなかなかいい場所が見つからず、
私が「前はここら辺に打ったと思います」と指さし、結局そこら辺に無事刺す事が出来た。

私の腕は太くないが、皮下脂肪が多すぎるのかもしれない。

点滴が開始され、これで準備万端。後は待つのみ。ベットに横になり静かに待った。

今まで、手術の経験は無い。

手術に対する恐怖心とか不安感もない。

むしろ全身麻酔はどんな感じなのだろうかとか、ダビンチロボットってどんな物なのだろう、せっかくだからじっくり見てみたいなとか、そんな好奇心の方が強かった。

13:00頃、若い方の看護師さんが来て、「連絡が来たので、手術室へ移動します」と言って、2人で手術室まで点滴台を転がしながら、歩いて移動した。

手術室の前で待っていると、扉が開き、手術室担当の看護師が出てきて、中へ案内される。

ここで病室担当の看護師さんとはお別れだ。

中へ入ると、ベッドが置いてあるところに案内された。

1人分の大きさの小さなベッドだけが置かれている。

複数の人達に挨拶された。生検時の先生もいた。

看護師にベッドに横たわるよううながされる。

ベッドに横たわると、看護師達が、心電図測定用の端子を体に貼り付けたり、血圧測定したり、体をベッドに固定したり、あれやこれやを手際よくこなしていく。

看護師が「グラグラしてる歯はありますか」と聞いてきた。

「指でゆらせば揺れない事はないですが、歯医者さんは大丈夫って言ってました」と答えた。

ゆれていると何がまずいのか質問したら、「酸素呼吸の管を入れる時に、場合により器具がぶつかり、歯が折れてしまう事があります。」と答えてくれた。

そんな事があるのかと驚くと同時に、あらためて前立腺癌は高齢者が多いのだなと思った。

さすがに折れてしまいそうな歯はないので安心もした。

なんとなくあわただしく準備が進み、
麻酔科の先生だろうか、頭のほうから男性の声がして、いくつかの質問を受け、それに答えた後、「これから麻酔薬を入れます」さらに「マスクを付けます」とも言われ、口をマスクでおおわれた。

私は、いつ頃どんな感じで麻酔が効いてくるのだろうかと思っていたが、ここで記憶は途切れた。

「だるまさん」「だるまさん」と呼ぶ女性の声が聞こえてくる。

「気分はどうですか」「手術終わりましたよ」と複数の女性の声がし、目が覚めた。

既に手術室ではない場所にいた。集中治療室だろうか。

腹部に痛みを感じ、何か重たいものを乗せられているような、重い痛みを感じる。

部屋に時計があり、16:15位だった。手術室に入ってから、3時間位経った事になる。

看護師に話しかけられ、返答もした。どんな会話をしたかは覚えていない。

酸素吸入用のマスクが外され、代わりに、鼻に小さな酸素吸入の管を付けられた。

足には血栓ができる事を防止する器具が付けられ、ふくらはぎをもまれているような感じがして気持ちがいい。

妻へは、手術が無事終わった事を電話で連絡したと伝えられた。

この他、様々な処置が行われたり会話もしたと思うが良く覚えていない。

痛み止めの点滴がされているため、我慢できないような痛みはない。

若干の痛みを感じるが、1時間ごとに体が楽になっていくような感じがする。

看護師は時々やってくる。

足元側に開け広げたドアがあり、隣の部屋は一晩中電気が付いていた。

衝立が立てられているため、はっきりとは見えないが、時々動く人影が見える。看護師だろう。

頼もしさと安心感、そして一晩中待機しているのかと思うと申し訳なさを感じた。
感謝の気持ちしかない。

夜は熟睡する事はなく、少し寝ては目が覚め、また寝ては目が覚めてみたいな感じが続いた。

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